フィギュアスケート エキシビション | Blog | R+R Computer Factory
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    by Megumu Akahori
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    20140223-01

    今や(まだ完璧にできる人は少ないけど)女子シングルでは誰もが使っているデニス・ヴィールマンの「ヴィールマンスピン」。
    当時は誰も真似できなかったし、できたとしてもヴィールマンが現役の間は誰もそのスピンを使うことはなかった。
    ヴィールマンと言えば、オリンピックでメダルを取ることはできなかったし、デビューイヤーこそ華々しかったものの、その後の戦歴は正直ぱっとしない。
    それでも観客はヴィールマンが登場すれば「ヴィールマンスピン」を必ず期待していたし、ヴィールマン以外の「偽ヴィールマンスピン」を見せつけられることは許さなかった。

    同様にアイスダンスで最強ペアと呼ばれたトービル&ディーン組も、サラエボオリンピックで「ボレロ」をバックに演技を行い、9人のジャッジ全員から芸術点で満点を奪うというオリンピック史上初の、そしてオリンピック史上最後の快挙を成し遂げた。
    そのため、トービル&ディーン組が引退してからも「ボレロ」は彼らのものとなり、アイスダンスはもちろん、シングルですら「ボレロ」の使用は長い間フィギュア界でのタブーとされていた。
    かなり経ってからミシェル・クワン選手が一度ボレロを使ったのを見て目を疑ったが、その時はあまり良い結果を残せなかったため、以降余計に「ボレロ」で演技しようという選手はいなくなり、「ボレロ」の伝説は更に強いものとなってしまった。
    (ついでに言うと、時の絶対王者スコット・ハミルトンの代名詞となった「フランク・シナトラの楽曲」も誰も真似しないんだけど、これは単に楽曲の人気がないだけなのかもしれないな…)

    「ボレロ」にしろ「ヴィールマンスピン」にしろ、その選手の代名詞となるには必ず何らかの伝説的背景が残っている。

    ユリア・リプニツカヤ選手のこのスピンも、現時点では誰も真似できない。
    たとえ真似できるようになったとしても、既に彼女の代名詞となってしまった以上、「ヴィールマンスピン」と同様に、彼女の努力を汚さないためにも、そして観客の期待を裏切らないためにも、彼女が現役の間に他の選手が真似することは許されない。
    リプニツカヤ選手が現役の間は本人が呼んでいる通り「キャンドルスピン」でいいと思うが、彼女が引退したら(プロ転向するかもしれないけど)、是非敬意をこめて「リプニツカヤスピン」の名称を付けてもらいたいものだ。

    

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